【夏の養生】陰陽の増大について
夏の性格を漢方生活の視点で見ると
『陰陽が増大する季節』と言うことが出来るとお話ししました。
詳しくはこちらの記事が参考になります。
今回は、改めて夏の陰陽の増大について、私たちの身体を例にあげて考えてみましょう。
夏になって気温が上がってくるという事は、
自然環境や生活環境から、活動の原資となる熱の支援を受ける事を意味しています。
熱ければ熱いほど良いというのではありませんが、一般に、外気の熱による支援を受ければ、寒くて動きの悪い季節より身体が動くようになるのです。これが『夏は陰陽が増大する季節』の陽(活動)が増えていく様子を表してます。
一方で、
活動量が増えればお腹が減り、自然と食事が増えてきますね。飲水も増え、その分、汗や尿も増えて、身体の外から取り入れるものと出ていくものの流通量が増えていきます。食べ物や水分と言った物の流通量が増えていく事が自然です。これは、活動の物質的側面である陰の増大を意味しています。
陰陽の増大とは、活動量が増えて、それを支える飲食物の量や、排泄の量が増えていく様子になります。
日長がのびて暖かくなる事を通じて、活動量や生理的な現象が活発になる様子でもありますね。
私たちの身体の陰陽が、この様に、程よい加減を保ちながら増大していけば順調と言えそうですが、実際には夏バテが心配であったり、夏に調子を崩す方は少なくありません。
それは、夏は『陰陽が増大する季節』ですが、
必ずしも一本調子で増大するのではない事がひとつ原因として考えられます。
夏の熱さ(陽)と湿気(陰)は
初夏から梅雨のころまでは、暑さよりも湿気が勝る傾向があります。陰盛(陰が盛ん)
梅雨明けから夏の盛りの頃までは、気温の高さが際立ちます。陽盛(陽が盛ん)
晩夏の頃になると、暑さも湿気も不安定で、過ごしやすくなる一方で残暑や前線、台風などの影響を受け、夏らしい雰囲気が終わります。
この様に、夏の陰陽が盛衰していく様子が一本調子ではないことが解ります。
これだけ外部の環境が変化してくのですから、そこから大きな影響を受ける事を考えると、夏をやり過ごすのは容易ではないと言えます。
まとめ
夏の陰陽の増大は一本調子ではない
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