東洋医学には
『不通則痛 不栄則痛』という言葉があります。(王好古:此事難知)
巡らないと痛みを生じます、栄養されなければ痛みを生じます。という意味になります。
不通則通において、巡るものとは気・血・津液のことですが、これらが巡らなくなると痛むというのです。
巡らなくなると痛む、それも痛みですから全身の巡りと言うよりも、局所における巡りの悪さと関連があります。
虫刺や打撲などの痛みは、赤く腫れてジンジンと痛みを感じることがあります。
痛みを感じる場所に、何か色々なものが集まってきて局所にとどまり、滞りを生じている様子が観察されます。
怒り心頭で血が上り、ズキズキと頭痛がしてきた、生理前に下腹部に血が集まり、滞りを生じて張ったような生理痛が生じるなども、巡りの悪さを感じますね。
食べ過ぎで腹満となりお腹が痛い、便秘でお腹が痛い、結石も体のあちこちに生じて痛みますが、誰にでもあるような巡りの悪さを伴う痛みです。
むくみで脚が痛む、膝に水が溜まって痛む、、、などあげればきりがなさそうです。
気・血・津液の中でも、血や津液は実体の有るものなので、症状の様子が目に見えたり、病理産物として病因を取り出すことも出来ます。
一方の、実体のみえない気に関しては、その滞りが熱として現れたり、張りとして現れやすいのですが、それらの症状に乏しいと認知されにくいです。
例えば、気の滞りを主因とした高血圧という病態がありますが、血圧が高いというだけでは、痛みどころか自覚症状がない事すらあります。
他には、知覚に乏しい部位での滞りは、痛みが表出しにくいという点にも注意が必要です。
例えば、血中に余分なものが充満して巡りが悪くなる脂質代謝異常や糖質代謝異常では、血管の炎症が頻繁に起こるとされています。
これらに由来する動脈硬化症や末梢血管障害などはありふれたものですが、無症状の事が多く、あるいはかなりの病気の進行の後に痛みを自覚する病気であるため、注意が必要と言えます。
不通則痛といっても、虫に刺された時のように即座に痛みを感じるものから、動脈硬化の様に、時に血管が切れるまで痛みを感じにくいものまで様々です。
気・血・津液が不通となってから、痛みがすぐにやってくるものは即時に対応し、だいぶ遅れてやってくるものは未病ととらえて、やがて来るであろう痛みに予め備えることが、不通則痛の真意ではないでしょうか。
不栄則痛については、またの機会に。
今日もご愛読ありがとうございました(^_^.)
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