【漢方生活のススメ】暮らしの中に漢方の考えを取り入れる5つのメリット

影山敏崇

2017年12月14日 13:25

漢方生活を暮らしの中に取り入れるメリットについて考えてみましょう。
ちょっとその前に、 『漢方生活』っていったい何のこと?と思われた方もいると思いますので、簡単に解説しておきますね。

漢方生活とは

漢方の考え方や物事のとらえ方を、日々の暮らしの中に生かしていくことです。

単純明快ですね。
漢方と聞けば、漢方薬とかハーブのイメージが強いと思いますが、漢方の中で漢方薬やハーブの占める割合はごくわずかです。ちょっと意外に思うかもしれません。
ですがここではっきりと言わせてもらえば、
漢方生活≠(ノットイコール)漢方薬やハーブで病気を治す  です。









漢方生活とは、もっと私たちの日常に即したもので、健康な時もそうでない時も、漢方の考え方を生活の様々な局面に取り入れていく態度のことです。長い人生の中で、時には漢方薬のお世話になる時もあるかもしれませんが、できればそう長くあってほしくないと私は思っています。


ここで漢方生活を暮らしの中に取り入れる5つのメリットについて説明します。
5つのメリットとは

1、日常生活に気付きを与える視点を持つ事ができる

2、大切なものとそうでないものの区別が整理できる

3、人生のバランス感覚が養われる

4、生活者の主体性が保たれる

5、日常生活がリズミカルになる




ここで上げた5つは、漢方生活を実践している私が、漢方生活を送る上で感じている代表的なものです。他にもメリットはありますし、私がいまだ知らないメリットもあると思います。
また、私がメリットと感じていることが、別の方にはそう感じない事もあるかもしれません。これは生活者である私たちが、漢方生活を送る上で個々に考えて判断していけばよいと思っています。




ここからは、先に上げた5つのメリットについて少し具体的に説明していきます。この段階では、漢方生活を送っているイメージを、少し持つことが出来れば充分です。


1、日常生活に気付きを与える視点を持つ事ができる
私達は日常をあらゆる視点でとらえて判断しながら生活を送っています。損得、勝ち負け、好き嫌い、きれい汚い、おいしい不味いなど、相対的な価値観を組み合わせて様々な判断をしてます。おいしいから得、汚いから負けの様に。
漢方には陰陽論という考えがあり、その考えを応用して相対する二つの価値観を、視点を変えて無限に広げていく事で、自身の考えのクセやこだわりに気づきを与えてくれます。


2、大切なものとそうでないものの区別が整理できる
漢方の考えに、足りないものは補い、余ったものは捨てるという考え方があります。足りなくなったり余ったりと変化をするのは世の常ですが、その時にどの状態に持っていこうとするかの判断を与えてくれます。
これを日常のあらゆる場面に応用していく事で、今の自分にとって大切なものと、そうでないものがすっきりと整理されてくることがあります。


3、人生のバランス感覚が養われる
漢方の考えでは、私たちの日常は変化していくものだとしながらも、その変化が極端であったり急激であったりした場合、注意が必要だと訴えます。一方で、全く変化のない状態も不自然だとしています。
私達の日常は、ひと・もの・ことに囲まれ、それらに大きく影響を与えながら、同時にそれらから大きく影響を受けています。変化と言う人生の起伏のなかで、自分をどう保てるかについて考えるきっかえを与えてくれます。


4、生活者の主体性が保たれる
漢方生活とは、善悪の判断を提供するものではありません。○○しなければならない、○○が正しいといった教義めいたものでもありません。それは生活者個人の判断で、漢方生活を送る中でも、人生から様々な問いかけを受ける事になります。
そこに答えを出していく事こそが、自分の人生を主体的に送る上で大切な部分です。漢方生活が、そのヒントになることがあります。


5、日常生活がリズミカルになる
私たちの身体を作り、それを運営していくための要素として気・血・水という概念を持っているのが漢方の特徴です。
気血水が、体内をグルグルとリズミカルに巡ることで順調を保とうとする考えがあります。リズミカルであれば日常に抑揚が生まれ、それが季節の抑揚の様に、多様に移り変わることになります。
日常が停滞しがちなときに、リズム取り戻すきっかけを与えてくれます。



漢方生活を日常に取り入れるメリットについて、具体的なイメージを持てたでしょうか?
言葉や文字だけでは中々イメージがつかないかもしれません。私達の日常は、日々の流れの中に実体がありますから、生活を送る中でイメージがわいて来ればよいと思います。


漢方生活については、今後ブログにて不定期に更新されていきます。現在漢方薬で治療中の方も、漢方治療が終了した方も、もちろん漢方には縁のない健康的な方にも、漢方の考えを生活に取り入れる漢方生活で、何かのきっかけをつかんでもらえたら幸いです。




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