【漢方生活のススメ】物を持つことの意味

影山敏崇

2018年02月03日 14:01

普段は、物を持つことの意味について考えることなど無いかもしれません。
物が余るほどある時代に、一つ一つの物に、所有する意味を問うことは不可能かもしれませんね。例え同じ物であっても、もつ状況や時代によって、その意味は無限に見出せるかもしれませんが、限りなくあるという事は無いに等しいとも言えます。




今回は、物を所有することの意味について、漢方生活における原則的な考え方をご紹介します。原則的な視点を持つことで、物との付き合い方を再考するヒントになればと思います。



物の中に陰陽を見る
私達は、物に囲まれて生活しています。もし、それらの物が一瞬にして目の前からなくなってしまったらどうなるでしょう?
携帯電話、車、家、冷蔵庫、、、、一つでもなくなってしまったら生活が成り立たなくなるかもしれませんね。物があるというのは有り難いことです。
一方で、物はなくなっても、物が持つ機能だけが残れば、物そのものがなくても困ることはありません。
ところが、物そのものと、それが持つ機能を切り離すことはできません。物と機能はセットになっているからです。




ですから、私たちは、物に囲まれた生活をしていると言えますが、一方で、機能に囲まれた生活をしているとも言えます。





陰陽とは、 【事物をあらゆる視点で陰と陽の2つに分けてとらえる視点】の事です。
すると、物の中に陰陽を見出そうとする時、実体のある『物そのもの』が陰、それがもたらす機能(役割)を陽とすることが出来ます。
陰陽は不可分です。
使われない物は機能や役割が発揮されず、ただの物体です。壊れて機能しなくなった物、役割を終えた物も物体です。物体には陰陽はありません。陰陽が切り離されてしまえば、通常は不要になってしまいます。




つまり、私達が物を持つという事は、物の陰陽とつながる事です。






物の陰陽とつながることで、物が人に活かされ、人も物に活かされるバランスが出来上がります。
このバランスをとるのが難しいのですね。オーバースペックや寸足らず、、、ベストバランスというのが在るわけでありません。

ただ、すでに長い付き合いとなっている物ほど、良好なバランスを築けているのかもしれませんね。



人と、物の陰陽とがつながっているという視点を持つことで、物の扱い方や、物との付き合い方のヒントになるかもしれません。



まとめ
人は、物の陰陽とつながっている。

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