子宮内膜の感受性

影山敏崇

2016年07月20日 12:31


ここ数年、東洋医学、とくに中医学の分野での不妊症研究において、内膜の感受性についての記事を見かけることがあります。


例えば、グレードの高い受精卵で、内膜の厚さは十分だが、着床しないというケースで、子宮内膜が、受精卵を受け入れる能力に欠ける状態の事を言います。


実際に不妊症漢方相談においても、体外受精において凍結保存までは問題がないが、移植の段階でうまくいかない、つまり着床してくれいないケースは多く、


中国における臨床研究においては、ドロドロ血(血瘀証・腎虚血瘀証・血虚血瘀証)のタイプが多いとされています。







まだまだ研究途上の様子ではありますが、



私見として中医学的には、腎の封蔵や腎の納気が、受精卵が着床するプロセスと似るように思えます。



又、子宮内膜表面を内なる外と考えれば、子宮における体表、つまり肺領域の原因ととらえる事も出来そうです。



例えば、皮膚の乾燥が、補陰や補血によって潤いを皮膚表面にとどめ湿潤してくる様子が、内膜面に受精卵を留め置くというイメージと重なりそうな気がします。



内膜の感受性につてい、今後の研究成果を期待したいところですが、個人的には、いくつかの症例を検討してみる価値がありそうです。

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