目標を立てる時のコツ

影山敏崇

2018年01月05日 14:10

新しい一年の始まりです。



今年はこうなりたい、〇〇したいなど、一年の目標は考えられたでしょうか?
今月は目標を立てて達成するために必要な事と、目標を立てる意味について、東洋医学的な視点で考えてみましょう。お正月という事で、お餅やおせち料理が続き、飽きてしまったと言う方も少なくないでしょうが、今月も『気』の話が続きます。食傷気味にならない事を願っています。







新年ですから、この機会に何か新しい目標を立てて行動したいですね。
目標にも大きなものから小さなものまで色々な形があると思いますが、目標を立てる時にはちょっとしたコツがあります。
それは、目標は具体的なものが良い事です。具体的でないと、そこに向かって『気』を集中できないからです。
例えば資格を取りたいとか、5キロのダイエットの様に、目標がはっきりしているものは具体的だと言えますが、健康になりたいとか、キッチンをきれいに使いたいといった曖昧な目標では、『気』が散ってしまいます。



いずれも目標としては素晴らしいですが、目標に向けて取り組みを始めたら、たとえスタートは曖昧なものであったとしても、具体的なものにシフトしていかないと、『気』の焦点が定まらず取り組みが続きません。
例えば、最初は健康になりたいと言った漠然とした目標であったとしても、今年は風邪を引かないようにするとか、毎日何時までには就寝すると言ったように、いくつかの具体的なものに落とし込む方が良いです。具体的なものの方が、行動に移しやすいからです。目標とは、『気』を束ねてその方向へと向かわせる羅針盤です。目標への進度に応じて、例え始めは漠然としたものであったとしても、具体的なものに更新していくと良いでしょう。


季節には暑さ寒さの強弱があったり、日にも昼夜がある様に、私たちの原動力となる『気』にも季節や昼夜のように強弱があります。
いよいよ具体的な目標が決まると、それに向けて取り組みが始まります。その時に、 『気』には強弱がある事を忘れないようにしたいです。目標に向けて勢いよくスタートしたけれど、3日坊主だったということは誰にでもある事です。あるいは、年初に立てた目標が、春になる頃には息切れして頓挫してしまったという事もあります。
この様な場合、やる気が先行し過ぎて休むことを忘れていたり、目標達成が遠すぎて、目標が曖昧になってしまっていることが多いです。目標への取り組みの源泉となる『気』は、強弱をくりかえしながら巡るものですから、飛ばし過ぎに注意ながら、休ませることで回復を促すことが肝心です。




また、日常を送る中で、目標達成だけに『気』を振り分ける事は出来ません。
忙しさやストレスで日常に負荷を感じてしまい、たとえ小さな目標でも遠くに感じるようなら、目標を細分化して、手の届く範囲に『気』を集中させることも大切です。コツコツと一歩ずつ目標に近づく作戦です。キッチン全体をキレに使う事が難しく感じるようなら、せめて三角コーナーだけでもきれいにするとか、洗い物だけは済ませるようにするなど、小さな目標に細分化して具体性を維持しましょう。時には潔く譲歩しても良いでしょう。



いずれにしましても、頑張り続ける事は不可能です。続けることが心地よいと感じるレベルを見つけることが肝心ですね。




いよいよ目標達成が近づいてきました。具体的な達成基準のない目標であった場合でも、満足いく結果を維持していれば達成と考えても良いでしょう。心身の『気』を、目標という焦点に当て続けてきた結果とも言えます。
目標が達成されたら、その目標を起点に次なる目標を立てましょう。




心身の源泉となる『気』は、強弱の変化をともないながら常に動きつづけています。それは昼夜が入れ替わり季節が巡る事と何ら変わりはりません。目標を達成したことで、目標を立てた当初と比べて見渡せる世界が変わっているはずです。健康を達成したら、その健康をもとにさらに羽ばたけるでしょう。キッチンをきれいに使えるようになったら、食材を余すことなく使い切ることを目標にされてもいいですね。資格をとったら、ダイエットを達成したら、、、、夢がふくらみますね。




目標によって人生の方向性を形作る
目標達成は目的ではなく手段です。達成するだけが目的ならゲームです。ゲームは達成して終わりです。
ところが『気』は不断の流れを持ちます。流れは分散しやすいので目標を置いて束ねていく、達成するとまた分散しやすくなるので再び目標を置いて束ねることをくりかえします。そうやって『気』の流れを方向付けることに目標を立てる意味があり、目標達成が人生の方向性を形作る手段と成りえます


これを続けていくとどうなるのでしょう?長い『気』の通り道が出来ると思います。小さな支流は消え、一本の道が出来るのではないでしょうか?私は、そこに心身一如(心と身体の調和)の在りたい姿があるのではと想像しています。
心身一如についてはこちらの記事>>>こちら


確かな事は解りません。ただ『気』の流れを司る主は、私たち一人ひとりであることは確かなようです。皆様は今年、どのような目標を立てられるでしょうか?


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