【漢方ダイエット】空腹感を大切に

影山敏崇

2018年10月18日 11:54

漢方ダイエットを進めるうえで、自然な血流を意識することは大切です。


昼は筋肉に、夜は消化器に集まりやすい血流の流れを、不自然な生活で乱さない事を意識するだけでも随分違いが出てくるはずです。


ダイエットと血流についてはこちらの記事が参考になります




今回は、ダイエット中に意識したいこととして「空腹感」があるかどうか?について漢方ダイエットの視点で考えてみます。



空腹感とは、お腹が空いたな~という感じの事です。ある人にはあるし、無い人にはないものです。空腹感が無い人なんているの?と驚くかもしれませんが、実は少なからずいるのです。







ケースとして多いのは、お腹が空いてきたらすぐに食べてしまう方です。空腹感を感じてすぐに食べる行為にうつるので、空腹感は無いに等しいと言えます。空腹感を感じている時は、脂肪が分解されてエネルギーが作られるダイエットのゴールデンタイムになりますが、それが無いのはもったいないですね。


間食の多くは、空腹感を感じて下がり始めた血糖値を、食べる事でまかなおうとする行為です。ダイエットをするなら、余分な脂肪があればそこからエネルギーを動員する方が効果が上がるのは言うまでもありません。

これは習慣です。


朝起きたら顔を洗ったり、仕事に出かけたりすることと変わりはありません。習慣の怖いところは、それに対していちいち理由など考え無い事です。間食が悪いのではなく、空腹感を感じて過ごすことが無い事に慣れてしまっていることがダイエットを妨げているのです。


漢方ダイエットではここに切り込みます。血流と言う視点から代謝の改善を図ることもしますが、食という大きなカテゴリーにも、習慣の改変という切り口で取り組むことになります。痩せる食材とか、何を食べるかという事を考えるのは漢方ダイエットの本質ではなく、まだまだ先の話です。ここは一足飛びには行きません。


標準的な体重を維持している方も、そうでない方も、違いはほんのわずかな習慣にあります。日々の違いは小さくても、その積み重ねの果てにたどり着く場所は、大きく異なってしまいます。



一方で、本当に空腹感が無い方もいます。お腹が空かない、食べ物がおいしく感じられないという場合です。料理の味がまずいというのではなく、食べて心や身体が満たされるという感覚を味わえない方です。背景にはストレスや精神的な問題があったり、胃腸障害があったりしますが、そのような方のダイエットは、食欲がわくようにしないと上手くいきません。


ダイエットのために食欲をしっかり出すように仕向ける事は、一見矛盾しているように思えます。ところが、食欲が無かったり空腹感が無い状態にありながら、適正体重をオーバーしていることも矛盾と言えます。
ダイエットをする上で、心身が食によって満たされるという自然な感覚を取り戻すことが、継続的な体重管理には必要です。


この様な考えに立つと、空腹感を感じながら暮らすことは、ダイエットをする上でとても大切だと言えます。



特に、朝ごはんと夕ごはんの前に空腹感があるのが良いです。夕に食べ過ぎれば朝の空腹感は無く、昼以降に間食が入ると、夕の空腹感が失われます。朝にお腹が空いて目が覚める、夕ご飯前にお腹が鳴るくらいが目安です。


ただし、日常的なストレスのはけ口として、一時的な空腹感を紛らすことで折り合いがつくことも少なくありません。そのような場合は食べても良いのです。空腹感を一時的にでも紛らす必要がある時と、惰性や習慣でマンネリに押し込まれた行動との違いを明確に区別する視点が大切です。


そして、本当に空腹感を紛らわす必要に迫られることは、3度の食事を除いてそれほど多くないという事も知っておく必要があります。

関連記事