2017年05月20日
血便・潰瘍性大腸炎など
出血を伴う下痢には、いくつかの病名が考えられます。
潰瘍性大腸炎、クローン病、全身性エリテマト―デス(SLE)、感染性大腸炎、消化器系の炎症、ガン、潰瘍出血、痔出血など色々考えられそうです。

漢方(中医学)では、いわゆる日常的に見られる下痢(泄瀉)とは違い、腹痛を伴い、急な便意に伴って赤や白の便を下痢し、排便後も重だるさが持続する症状を痢疾(りしつ)と呼び、区別しています。
痢疾の教科書的分類では、細菌性赤痢やO157(腸管出血性大腸菌感染症)にみられる急性の感染による病証もありますが、この項では除外していきます。
まず、泄瀉と痢疾は、下痢や腹痛を主訴とし、胃腸に病変部位を置く点において似ていますが、その違いは『景岳全書』に記載があります。
要約すると
『瀉の病位は浅く、痢の病位は深い。瀉の病状は軽く、痢の病状は重い。瀉は飲食物の清濁を分けられない事によるもので、原因は脾胃にある。痢は消化管が損傷・腐敗したもので、原因は肝・腎・大腸にある。』
いずれにしても、痢疾は、重症でかつ他臓腑に関連する様子がうかがえます。
痢疾における関連臓腑に腎の記載があることから、病程が長くなりやすく(久病及腎;慢性病による消耗は腎に及ぶの意)、一部の病証に自己免疫の関与が示唆されると言えます。
便の色については、赤は下血を意味し、消化管からの出血と考えられます。
白い便は、便の色の素となる胆汁排泄の異常によると考えられます。
胆道閉塞にともなう白色便や、新生児の白色便が知られていますが、これらは別の機序によって説明されるため、痢疾とはならないようです。
一般い便が白っぽくなることとして、栄養不足や消化不良があり、消化器の虚弱さを背景にしたタイプに漢方は奏功することがあります。
白凍とよばれる白いゼリー状の便は、希薄な下痢に、腸の粘液が混じる場合で、下痢が久しく続き、腸の中に強い冷えを生じ温められない寒盛正虚と呼ばれる状態です。
便の色による病証の弁別の実際は、『白っぽい普通の硬さの便に鮮血が混じり、排便の終わりの方はゼリー状の粘液で、かつ下痢であった』というように、玉虫色の複雑な様相を呈していることがほとんどです。
寒熱虚実が錯雑し、肝・腎・大腸に及ぶ痢疾は、当座は標治(対症療法)に重きが置かれますが、寛解期には本治(根本療法)に寄り、素体を丈夫にし、寛解維持を目指します。
そのためには、専門医を受診し、痢疾の原因となる疾患を明らかにしたのちに標準治療を受け、漢方では体質改善や、身体の精気の虚を補うといった併用が良いと思います。
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