2017年09月07日
痛みについて
ここまで、痛みについて、外邪の概念や、不栄則痛、不通則痛の考えを紹介しました。
いずれも、東洋医学独特の切り口で興味深い内容です。

ですが、外邪も不栄も不通も、局所における虚実を、主に客観的な情報から推察しているだけです。
痛みの様な主観的で感情的なものは、局所の虚実だけで決まるのではなく、痛みを受け取る側の事情を考える必要もありそうです。
痛みとは、本来、痛みの原因から身を守るための保護的な意義を持ち、時に生体を脅かすより大きなリスクを回避する手段にもなるはずです。
痛みを起こす生体側の意義からすれば、原因を野放しにして痛みだけを取り除いてしまう事で、その意義は薄らいでしまう事を考える必要があるでしょう。
頭痛でも生理痛でも、痛み止めを使う事で緩和をはかることは大切ですが、それに久しく甘んじていては、事態をより複雑にしていくだけです。
痛みの症状に対処することを中心に据えながらも、その背景となる原因解決にも意識を持つ必要があるでしょう。
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今日もご愛読ありがとうございました(^_^.)
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2017年08月31日
痛みの漢方相談 潤いの改善(不栄則痛)
不栄則痛(ふえいそくつう)とは、栄えないと痛むという意味です。
栄えないというのは、不足を意味しますから、虚(きょ)した状態が痛みを作るという事です。
痛みのないスッキリとした毎日を送りたいものです(富士山本宮浅間大社)
色々なものが局所に集まってきて、腫れあがったり、ガンガンするような激しさとは逆に、局所があまり騒がしくない様子です。
不通則痛とは、局所に物が集まり過ぎて滞りを生じて痛むのですから、気・血・津液が充満した痛みですが、
不栄則痛とは、局所の虚、つまりは気・血・津液が不足した状態だと考えます。
不通を実、不栄を虚という陰陽に分けることも出来ます。
一般的には、実の痛みは激しく、腫れたり熱を伴ったりする傾向があり、虚の痛みは、穏やかな痛みとなる傾向があるとされます。
虚には補、実には瀉が、治方の原則です。
東洋医学的な解決策として、不栄でも不通でも、則痛となっている状態が、局所に限局した虚実の偏盛偏衰なのか、からだ全体の体質的な偏りが、局所における痛みとして発露したものなのかを考える必要がありそうです。
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2017年08月18日
痛みの漢方相談 巡りの改善(不通則痛)
東洋医学には『不通則痛 不栄則痛』という言葉があります。(王好古:此事難知)
巡らないと痛みを生じます、栄養されなければ痛みを生じます。という意味になります。

不通則通において、巡るものとは気・血・津液のことですが、これらが巡らなくなると痛むというのです。
巡らなくなると痛む、それも痛みですから全身の巡りと言うよりも、局所における巡りの悪さと関連があります。
虫刺や打撲などの痛みは、赤く腫れてジンジンと痛みを感じることがあります。
痛みを感じる場所に、何か色々なものが集まってきて局所にとどまり、滞りを生じている様子が観察されます。
怒り心頭で血が上り、ズキズキと頭痛がしてきた、生理前に下腹部に血が集まり、滞りを生じて張ったような生理痛が生じるなども、巡りの悪さを感じますね。
食べ過ぎで腹満となりお腹が痛い、便秘でお腹が痛い、結石も体のあちこちに生じて痛みますが、誰にでもあるような巡りの悪さを伴う痛みです。
むくみで脚が痛む、膝に水が溜まって痛む、、、などあげればきりがなさそうです。
気・血・津液の中でも、血や津液は実体の有るものなので、症状の様子が目に見えたり、病理産物として病因を取り出すことも出来ます。
一方の、実体のみえない気に関しては、その滞りが熱として現れたり、張りとして現れやすいのですが、それらの症状に乏しいと認知されにくいです。
例えば、気の滞りを主因とした高血圧という病態がありますが、血圧が高いというだけでは、痛みどころか自覚症状がない事すらあります。
他には、知覚に乏しい部位での滞りは、痛みが表出しにくいという点にも注意が必要です。
例えば、血中に余分なものが充満して巡りが悪くなる脂質代謝異常や糖質代謝異常では、血管の炎症が頻繁に起こるとされています。
これらに由来する動脈硬化症や末梢血管障害などはありふれたものですが、無症状の事が多く、あるいはかなりの病気の進行の後に痛みを自覚する病気であるため、注意が必要と言えます。
不通則痛といっても、虫に刺された時のように即座に痛みを感じるものから、動脈硬化の様に、時に血管が切れるまで痛みを感じにくいものまで様々です。
気・血・津液が不通となってから、痛みがすぐにやってくるものは即時に対応し、だいぶ遅れてやってくるものは未病ととらえて、やがて来るであろう痛みに予め備えることが、不通則痛の真意ではないでしょうか。
不栄則痛については、またの機会に。
今日もご愛読ありがとうございました(^_^.)
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巡らないと痛みを生じます、栄養されなければ痛みを生じます。という意味になります。

不通則通において、巡るものとは気・血・津液のことですが、これらが巡らなくなると痛むというのです。
巡らなくなると痛む、それも痛みですから全身の巡りと言うよりも、局所における巡りの悪さと関連があります。
虫刺や打撲などの痛みは、赤く腫れてジンジンと痛みを感じることがあります。
痛みを感じる場所に、何か色々なものが集まってきて局所にとどまり、滞りを生じている様子が観察されます。
怒り心頭で血が上り、ズキズキと頭痛がしてきた、生理前に下腹部に血が集まり、滞りを生じて張ったような生理痛が生じるなども、巡りの悪さを感じますね。
食べ過ぎで腹満となりお腹が痛い、便秘でお腹が痛い、結石も体のあちこちに生じて痛みますが、誰にでもあるような巡りの悪さを伴う痛みです。
むくみで脚が痛む、膝に水が溜まって痛む、、、などあげればきりがなさそうです。
気・血・津液の中でも、血や津液は実体の有るものなので、症状の様子が目に見えたり、病理産物として病因を取り出すことも出来ます。
一方の、実体のみえない気に関しては、その滞りが熱として現れたり、張りとして現れやすいのですが、それらの症状に乏しいと認知されにくいです。
例えば、気の滞りを主因とした高血圧という病態がありますが、血圧が高いというだけでは、痛みどころか自覚症状がない事すらあります。
他には、知覚に乏しい部位での滞りは、痛みが表出しにくいという点にも注意が必要です。
例えば、血中に余分なものが充満して巡りが悪くなる脂質代謝異常や糖質代謝異常では、血管の炎症が頻繁に起こるとされています。
これらに由来する動脈硬化症や末梢血管障害などはありふれたものですが、無症状の事が多く、あるいはかなりの病気の進行の後に痛みを自覚する病気であるため、注意が必要と言えます。
不通則痛といっても、虫に刺された時のように即座に痛みを感じるものから、動脈硬化の様に、時に血管が切れるまで痛みを感じにくいものまで様々です。
気・血・津液が不通となってから、痛みがすぐにやってくるものは即時に対応し、だいぶ遅れてやってくるものは未病ととらえて、やがて来るであろう痛みに予め備えることが、不通則痛の真意ではないでしょうか。
不栄則痛については、またの機会に。
今日もご愛読ありがとうございました(^_^.)
漢方薬で体質を整え、妊娠しやすい体作りを目指したい
いつまでも長引く不調がなかなか治らず、どこに相談してよいかわからない方
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2017年03月22日
頭痛の漢方相談
漢方相談の中で、頭痛は頻繁に遭遇する症状の一つです。
その中でも一番多い訴えが『天気が悪くなってくると頭痛がする』です。
気圧の変化や、前線通過に伴う寒暖差などの外因が引き金となる頭痛です。
中医学の標準的な教科書の分類では、外感頭痛と言われ、気温や湿度などの自然環境や、生活環境の変化が引き起こすと考えらえれています。気象変化の大きい季節の変わり目などでよくみられます。
『慢性頭痛で痛み止めが手放せない』と言うかたも少なくありません。
生理前や排卵時などに必ず頭痛がする、体に冷えのぼせがあって頭が痛い、イライラしやすいくて頭痛持ち、貧血や低血圧、冷えなどがあって頭がすっきりしないなど、訴え方は人それぞれです。
このような場合は、先ほどの外部環境の変化が引き金になることもありますが、それよりはむしろ体の内側の事情によって、頭痛を起こしやすくなっているケースです。
中医内科学の頭痛の項では、内傷頭痛と分類されています。
頭痛は、体の上半身の最上部で起きた痛みですが、その原因を、全身の事情や精神状態などに求めて改善していくのが、東洋医学的な視点です。

頭痛は、ありふれた日常的な症状ですが、中には病院にかかった方が良いケースがあります。
『最悪の痛み』 『どんどん悪化する』 『突然に起こる』の3徴候は、背景に日常的な頭痛とは違う危険な頭痛のサインの場合があります。
他に注意すべき点は
・いつもの頭痛と様子が違う
・50歳以上で初発
・神経症状や視力障害がある
・がんや免疫不全患者
・精神症状を伴う
・発熱、項部硬直、髄膜刺激徴候がある
・最近の頭部外傷歴がある
などでは、薬局にてトリアージした後に、専門医へ受診をすすめています。
片頭痛や緊張型頭痛、他には群発頭痛の予防には、その多くのケースで漢方薬は良く効きます。
ただし、中には危険な頭痛も少ないながらありますので、上記の危険な兆候を感じるようなら、まずは病院等で検査をされて判別してから、漢方治療を始めても遅くはありません。
お気軽にご相談ください。
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気圧の変化や、前線通過に伴う寒暖差などの外因が引き金となる頭痛です。
中医学の標準的な教科書の分類では、外感頭痛と言われ、気温や湿度などの自然環境や、生活環境の変化が引き起こすと考えらえれています。気象変化の大きい季節の変わり目などでよくみられます。
『慢性頭痛で痛み止めが手放せない』と言うかたも少なくありません。
生理前や排卵時などに必ず頭痛がする、体に冷えのぼせがあって頭が痛い、イライラしやすいくて頭痛持ち、貧血や低血圧、冷えなどがあって頭がすっきりしないなど、訴え方は人それぞれです。
このような場合は、先ほどの外部環境の変化が引き金になることもありますが、それよりはむしろ体の内側の事情によって、頭痛を起こしやすくなっているケースです。
中医内科学の頭痛の項では、内傷頭痛と分類されています。
頭痛は、体の上半身の最上部で起きた痛みですが、その原因を、全身の事情や精神状態などに求めて改善していくのが、東洋医学的な視点です。

頭痛は、ありふれた日常的な症状ですが、中には病院にかかった方が良いケースがあります。
『最悪の痛み』 『どんどん悪化する』 『突然に起こる』の3徴候は、背景に日常的な頭痛とは違う危険な頭痛のサインの場合があります。
他に注意すべき点は
・いつもの頭痛と様子が違う
・50歳以上で初発
・神経症状や視力障害がある
・がんや免疫不全患者
・精神症状を伴う
・発熱、項部硬直、髄膜刺激徴候がある
・最近の頭部外傷歴がある
などでは、薬局にてトリアージした後に、専門医へ受診をすすめています。
片頭痛や緊張型頭痛、他には群発頭痛の予防には、その多くのケースで漢方薬は良く効きます。
ただし、中には危険な頭痛も少ないながらありますので、上記の危険な兆候を感じるようなら、まずは病院等で検査をされて判別してから、漢方治療を始めても遅くはありません。
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