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2020年01月29日

【漢方ダイエット】ダイエット中の果物は?果糖とダイエットについて

食事から摂取する糖質を減らすダイエットに取り組む方から質問が多いのが、果物の扱いです。


ダイエットと食事


ビタミンやミネラル、食物繊維などの副栄養素に富み、美味しい上に、一年中手軽にとれる食材ですから、食べる人も食事を提供する人にとっても都合が良いですね。今月は、果物の中に含まれる果糖という糖について、ダイエットと関連させながら考えてみましょう。


先ずは結論からです。
ダイエット中の果物は、少量なら大丈夫。ただし、そのとり方には注意が必要。 
顔02




 ダイエットの基本は、血糖値をなるべく上げないようにすることです。血糖値を上げるものは、ブドウ糖やお砂糖、デンプンなどで、血糖値が上がるとインシュリンというホルモンが分泌されて、血糖値が下がります。このインシュリンが太る中心的な役割をします。(詳細は前月号を参考にしてください)




 そこで、果糖はどうかと言う疑問がわきます。果物に含まれる糖がすべて果糖と言う訳ではありませんが、日常的な食材としては果物からの摂取が多いと考えられます。



  果糖は、糖質の中でもあまり血糖値を上昇させない糖です。血糖値を上げる傾向を示す数値にGI値があります。直接的に血糖へと変わるブドウ糖を100とするのに対し、果糖は20程度とされており、血糖降下ホルモンであるインシュリンの追加分泌への影響も軽微です。

 すると、果糖は太らないかと言うと、そうではありません。



 そこで、果糖が体の中でどう代謝されるかを追ってみます。
体内に取り込まれた果糖は肝臓へと向かい、ブドウ糖よりも急速に代謝され、中性脂肪へと変えられてしまいます。中性脂肪は脂肪細胞に蓄えられて肥満を促進します。つまり、果糖はエネルギーとして消費されやすいブドウ糖と比べ、貯蔵型のエネルギー(脂肪)に変換されやすいのです。それは、果糖はブドウ糖よりも毒性が高く、吸収された後は直ちに別の安全な物質に置き換えられる必要があるからです。これは、アルコールが吸収されて直ちに分解が始まるのと同じで、果糖は俗に『酔わないアルコール』と言われたりします。




 通常、果物は生のまま食べられることが多いと思います。果物の生食ならばほとんどが水分であり、全体量に占める果糖の割合は低くなります。非加熱で副栄養素(ビタミンや繊維など)が壊れることなく取れることが、果糖がもたらすデメリットを相殺して有り余るメリットとなります。ダイエット中は0にしなくても、2口3口程度はさほど気にせず食べても良いと考えられます。




 問題となるのは、ドライフルーツのように砂糖漬けにされた果物や、果物をたくさん使う健康的なイメージのあるフルーツジュースやスムー ジー、果物を原料に含む野菜ジュース、甘味料に果糖を加糖した清涼飲料水などは、ダイエット中は避けるべきでしょう


また、加工食品の表示中に果糖ブドウ糖液糖、ブドウ糖果糖液糖、高果糖液糖などの表示を見かけたら注意が必要です。かなりの清涼飲料水にとどまらず、加工食品にもこれらが含まれていることが確認できます。工業的に安価に大量生産が可能で、食味を向上させるだけでなく、加工にも保存にも耐えるこれらの液糖は、市場に氾濫しています。


 果糖は、ブドウ糖と異なり満腹中枢を反応させません。したがって、果糖入りのジュースの類は満腹感を得られにくく、量的に過剰になりやすい上に、果糖以外の糖も加糖されているため肥満を促進してしまう事になります。ダイエット中は、果糖やブドウ糖、また砂糖、先に挙げた液糖入りの甘い液体は、たとえそれが健康をイメージさせるものであっても摂ってはいけません。面倒なら、飲料は水やお茶にしておけばいいのです。



 果物は決して悪いものではありません。
他の食材では補いきれない必須の栄養素を含みます。ダイエット中の方は、適量を守り、そうでない方は、そればかりにならないように気を付ければいいだけです。注意が必要なのは、人工的に作られた果糖液糖です。フルーツジュースや果糖を添加した清涼飲料水、ドライフルーツ、基礎疾患として糖尿病がある人などは、栄養表示をみて判断すればよいでしょう。



 現代ほど果糖にさらされた過去は、人類の歴史をさかのぼってもありません。それは、大量の果糖がもたらす不都合に対応するシステムを、進化の過程で獲得していないことを意味します。何でも過ぎたるは及ばざる如しですね。
  


Posted by 影山敏崇 at 15:52Comments(0)漢方ダイエット

2019年12月02日

【漢方ダイエット】糖質制限ダイエットについて

最近話題のダイエットに糖質制限ダイエットがあります。今月は痩せる仕組みについて解説します。



近くの土手にて。イチョウの紅葉



 糖質はあらゆる食べ物の中に含まれた栄養素です。ここでいう糖質とは、血糖値を上げる作用を持つ炭水化物の事です。炭水化物には、血糖値に影響を及ぼさない食物センイも含まれますが、糖質制限では、食物センイを制限する必要はありません。制限するのは、血糖値を上昇させる糖質のみです。




 それ以外の栄養素、例えばタンパク質や脂質は血糖値には影響しません。
ひと昔前までは、タンパク質や脂質も血糖値を上昇させるということが言われていましたが、今は誤りであることが解っています。
あらためて、食事において血糖値を上昇させるのは糖質のみということを強調したいです。




 血糖値の上昇が起きれば、インシュリンという血糖を下げるホルモンが増えます。インシュリンが、血糖を細胞の中にせっせと取り込むのです。血液中の糖を細胞の中に取り込むことによって、細胞は始めて糖質をエネルギーとして利用できます。つまり、インシュリンが無いと、細胞は血糖を利用できませんので、インシュリンはとても大切な働きを持っていることが解ります。




 ところが、血糖は非常に厄介な性質を持っています。
例えば成人の場合、血液中に角砂糖1個分の血糖が溶けている状態が正常です。これが角砂糖2個になると高血糖となり、血糖値は200を越えます。これは高血糖による障害が出始める血糖値です。一方、角砂糖が半分しか血液中に溶けていない状態だと今度は低血糖になり、立っている事すら困難な状態になります。血糖は、栄養にも毒にもなるもので、安全な血液中の濃度は非常に狭い範囲に限られます顔14




 血糖値は低下しても、それを上昇させる仕組みを体は備えていますが、高血糖を下げる仕組みについてはインシュリン以外に手がありません。増えすぎた血糖は体にとって悪影響を及ぼしますが、それを正す仕組みは意外なほど弱いのです。



 これは人類の歴史を見れば明らかです。
200万年とも500万年ともいわれる狩猟採集生活を続けてきた人類は、高血糖にさらされる機会はほとんどゼロに等しかったと考えられます。農耕が発達し、麦やコメなどの主食の大量生産に成功するようになって初めて糖質を多くとるようになりました。それは人類の歴史の1%に満たないごく最近のことです。人類存亡のカギは低血糖の克服にあり、高血糖に対する体の仕組みづくりは頼りないまま現在にいたります。高血糖が、肥満に限らずあらゆる生活習慣病に影響してくる事実は、人類の進化の盲点を突かれた形と言えそうです。




インシュリンは肥満モルモン?
インシュリンは、血糖を下げる唯一のホルモンです。そして、インシュリンを大量に分泌させるのは糖質のみです。この2つの事実だけでは、インシュリンが肥満をもたらすことを説明できません。
そこでさらに詳しく調べると、インシュリンは【脂肪細胞内に中性脂肪を蓄える方向に働く】という作用がある事が解りました。インシュリンには、脂肪の蓄えを加速する働きがある事が知られています。つまり、脂肪の吸収を操るインシュリンを、糖質が操っているという事です。つまり、甘いもの(血糖値を上昇させる)が、インシュリンを介して脂肪蓄積を加速させているのです。
このインシュリンの脂肪取り込み作用は、エストロゲンと言う女性ホルモンによって抑制されます。閉経後の女性や卵巣摘出後の女性、不妊治療のホルモン周期中や、ホルモン治療等でエストロゲン分泌をおさえれらている女性が太りやすいのはこのためです。




食べ物が血糖に与える影響>砂糖だけでなく、デンプン、小麦製品やコメは血糖値に与える影響は大きく、インシュリンを追加分泌させます。葉物などの野菜は血糖に与える影響は少なく、肉や脂質に関しては血糖に影響を及ぼしません。つまり、焼肉屋さんで脂身の多い肉をたくさん食べても、米や麺、デザートなどの糖質をとらなければ、太りにくいと言えます。
糖質制限ダイエットでは、血糖値を上げない食べ方が重要です。一方で糖質をとらなければ低血糖を起こさないか心配ですね。実際には低血糖は起きません。糖質が入ってこなければ、あまった脂肪を分解して血糖を上げる仕組みが備わっているからです。人類の歴史は飢餓との戦いでもあり、そう簡単に低血糖にはならないように進化してきました。これが糖質制限ダイエットが痩せたり、体重コントロールしやすいと言われるからくりです。



続く  


Posted by 影山敏崇 at 16:55Comments(0)漢方ダイエット

2019年11月06日

【漢方ダイエット】食べる事と眠る事の関係

今月は、ダイエットの食事編について考えていきます。とは言いましても、ダイエットは食事だけで成り立つものではなく、睡眠との関連の中で成立していますので、その辺りの関係を見ていく必要がありそうです。


人の最大の欲求は睡眠です。



睡眠欲に勝てずに朝寝坊して、朝食を食べなかった経験は誰にでもある事でしょう。食欲旺盛な赤ん坊でも、睡魔に勝てずに食事中に眠りこけてしまう事があります。睡眠は、生きる事に直結した最大の欲求である証左です。


春眠暁を覚えず



 睡眠に不満を抱えたまま過ごすと、食欲増進ホルモンが増え、食欲抑制ホルモンが減ることが知られています。したがって、寝不足や睡眠障害は食生活の乱れにつながり太りやすくなると言えます。




 睡眠に満足しない状況で朝を迎えると、欲求不満を抱えた状態で一日を過ごすことになります。外からのストレスとは別の、内なるストレスとでも言えそうです。不満のはけ口に何か償いを求めますが、現代人は、仕事や家事・育児の合間に寝る余裕はほとんど有りません。



 ところが食べるものはいくらでも手に入る世の中ですから、不満のはけ口は食べる事に向かいます。別の事で気分転換をしたり、余暇を楽しむような償いがあれば、食に頼り過ぎるアンバランスを矯正できるかもしれません。いずれにしても睡眠の満足度を少しでも上げる事が、ダイエットにおける基本になります。




その上で、食事についてはどうでしょう。




体のエネルギー源となるのは、糖質、脂質、タンパク質です。



エネルギーとして使う優先順位は、高い方から糖質>脂質>タンパク質となっています。糖があればどんどん糖を使う仕組みです。使い切れない糖は中性脂肪として蓄えられ肥満の原因になります。そこで糖質を制限すると体はどうなるでしょうか?血糖値が下がり低血糖を起こしそうなものですが、実際にはそうなりません。蓄えられた脂肪を脂肪酸とグリセロールに分解します。脂肪酸はそのままエネルギーとして利用され、余ったものはケトン体と呼ばれる物質に変わり、これもエネルギーとして使われます。脳はブドウ糖のみを栄養源とすると言う話しがありますが、これは誤りで、ケトン体を利用できることが知られています。



 一方のグリセロールは、ブドウ糖にかえられ血糖維持に働きかけます。この様に人の体には、自らの脂肪を分解してエネルギーを得つつ、血糖値を維持する仕組みが在ります。人は食事からの糖質が無くても、低血糖やエネルギー不足にならないのです。
この脂肪分解の仕組みは、私たちが普段からよく使う解糖系(糖を分解してエネルギーを得る仕組み)に対して、ケトン体回路と呼ばれています。そして痩せるには、エネルギー供給を解糖系からケトン体回路にシフトすることが大切です。



食べ方について
厳密な糖質制限は細かなルールがありますが、実践的な目安を把握しておくだけで、痩せやすいケトン体回路は活性化します。



いくつかのポイントを紹介します。




糖質の主な入口は、主食です。米や、パン・麺類などの小麦製品は、そのほとんどが糖質です。これらを、例えば夜ご飯だけでも止めてみると良いでしょう。夕食後は基本的には寝るだけですので、ここで血糖値を上げるような食事をとると、解糖系が働き脂肪分解が妨げれ、余った糖は脂肪として蓄えられてしまいます。夕飯以降から翌日の朝食までは絶食状態となるので、夕食で糖質を入れて血糖値を上げてしまうのはもったいないですね。夕食の主食をなくす、無理なら半分にするでも良いでしょう。





減らした主食の分は、タンパク質や脂質、さらには食物繊維やビタミンミネラルといった副栄養素を増やす必要があります。おかずを増やせばいいのです。体を作るたんぱく質や脂質を増やすことで、全体の食事量を落とさず、痩せやすい体の仕組みに変えていくことが出来ます。決して食事量を落としてはいけません。落としたいのは体脂肪であり、必要な筋肉が落ちてしまったら、元も子もないですから。



間食についてはどうでしょうか?米や小麦製品、ポテトチップスや焼き芋などの根菜菓子、お砂糖たっぷり製品を気を付ければ、あとは量を気にせず大丈夫です。糖質が入っていない、あるいは少なければ大丈夫です。飲料も要注意、血糖値を即効的に上げ痩せにくくなります。0kcalの水やお茶で済ませます。



ま た、ダイエットにおいて、アルコールやカフェイン飲料の常習は避けたいところです。油断をすると毎日でも飲めてしまうものですが、アルコールは脳の緊張を緩め、カフェインは緊張を高めます。




これらが生活習慣の中に入り続けると依存と言う状態になり、心や身体の本来あるべき状態が見えにくくなります。睡眠や食事、ストレスや疲労のバランスが正しいのか誤りなのかが、心や体を通じた反応として感じにくくなります。ちょっとした体の変化に気づきにくくなるのです。嗜好品はほどほどにされる方がよいでしょう。



ダイエットをして体の感覚がシャープになると、日々の心や身体の変化を感じ取れるようになります。これは良い、これは悪いが身体感覚として分かるようになります。これは、ダイエット中だけでなく、その後の体調維持や体重管理にとても重要な事です。



続く。



  


Posted by 影山敏崇 at 15:23Comments(0)漢方ダイエット

2019年10月28日

【漢方ダイエット】食べるから太る?

今回は『ダイエット』について、基本的な考えを東洋医学的な視点で考えてみます。



 一般的に、過食するから太ると考えがちですが、これは間違いです。


過食するから太るのではなく、太りつつあるから過食すると考えます。原因と結果は逆です。




ダイエットと食事




突然そう言われても理解しがたいかもしれませんが、子供の成長を考えてみると解りやすいです。
小さな子供が成長して、体を大きく、かつ重くしていくのは、決してたくさん食べた結果ではありません。子供は成長しつつあるから、結果としてたくさん食べます。この成長とは、成長ホルモンや遺伝的な要素によって促されるものです。



旺盛な食欲が成長を促したのではなく、成長にともなう身体の栄養的な要求を満たすために食欲が亢進する事は、かつての私たちが皆そうであった事から、あるいは子供の成長を見ていると理解できます。成長が原因であり、結果としてたくさん食べるようになります。



大人の場合はどうだろう?

30代にもなれば、誰でも20歳の頃より多少は太っているでしょう。一方で、50や60歳になってもスリムな体形を維持している人もいます。体質や環境の違いは人それぞれですが、大人になると、縦方向に体が成長する伸びしろが無いことだけは皆同じです。大人の成長と子供の成長の違いは、伸びていく方向の違いにあります。子供は縦に、大人は横に成長します。



大人も、子供と同様に成長が先と考えられないか?つまり、たくさん食べたから横方向に成長(太る)したのではなく、太りつつあるから過食になっていると考えるのです。


東洋医学においては、
体の筋肉や脂肪と言った実体のある物を陰とします。
体の筋肉や脂肪と言った実体のある物が行う仕事、つまり成長や代謝を、陽とする考えがあります。
陰と陽は常にバランスをとろうとします。
子供は陽が盛んであり、成長する力や代謝の高い状態が食欲の増進につながり、その結果として陰、つまり体が主に縦方向に伸びていきます。
20歳を過ぎれば大人の陽は少しずつ萎えていき、加齢とともに陰が盛ん(体重が増えて)になり、結果として食欲増進につながってしまいます。
子供は陽が先行したのちに陰が追い付いてくる、一方の大人は、陰が先行し、それを補うために陽を高める必要があり、それを食べること(カロリー)で補うという構図が見えてきます。これには例外と言うのがあまり見当たらず、例えば、ハードワークを続けるプロボクサーでさえ、キャリア(加齢)とともに体重コントロールが難しくなり、一番パフォーマンスの発揮しやすい階級に重量を上げていく事が知られています。




生化学という科学の視点からはこう解説されます。
大人になり代謝が落ちてくると、脂肪を脂肪細胞に次々に取り込み保存をしてしまうため、からだを動かすためのカロリーは脂肪細胞に取り込まれるようになります。結果として血液中で利用できるカロリーが不足します。それを補うためにさらに食べる必要があり(食欲亢進)、太りやすくなります。脂肪細胞がカロリーをむさぼるほどに、例えば筋肉などの他の細胞に行き渡らせるだけの十分なカロリーが無くなってしまうのです




やがて体重増加に伴い、体が要求するカロリーはますます増える事になるため、不足を補うために食事量をさらに増やすか、活動量を減らして消費カロリーを減らす(怠惰になる)、あるいはその両方を行う事で、カロリー需給の帳尻合わせをするようになります。


この状態はではすでに、立派な体を持ちつつも、体の中は栄養失調状態(脂肪などの栄養が脂肪細胞に集中し、他の臓器や細胞、筋肉がそれらを利用しにくい状態)と言えます。これが、『食べるから太る』ではなく、『太りつつあるから食べる』のからくりです。
この理解がないと、若いころに成功したダイエットが、例えば30以降でうまくいかなくなる理由を説明できないし、実際に中高年以降は、たいして食べてもいないのに太りやすい状況に置かれる事に説明がつきません。



『太りつつあるから過食する』、はどこに行きつくか?
太りつつあるからさらに食べる必要に迫られる大人は、年をとるごとに増々食べるようになり、同時に体重を増していきます。徐々に太りやすさを増していきつつ、増々食べるようになりますが、検査に異常が検出されるようになると、とりあえずは薬を飲む事になります。



薬で検査数値の異常を消すことが出来たとしても、この太りつつあるから過食する傾向は変わりません。加齢は容赦なく代謝を落とすから、時に怠惰に過ごすことで、エネルギーの消耗を減らそうとします。『最近、歳のせいか疲れやすくなった』の正体はここにあるかもしれません。この事が負の連鎖となることは、想像に難くありません。



  
タグ :ダイエット


Posted by 影山敏崇 at 14:31Comments(0)漢方ダイエット

2019年10月08日

【漢方ダイエット】運動について

10月の養生法



スポーツの秋、ダイエットにおける運動の役割について考えます。






ダイエットと聞けば運動をイメージします。食事から得られるカロリー以上に体を動かせば、体重は落ちるだろうという考えがあります。単純で解りやすい考えではありますが、これは、糖・タンパク質・脂質といった3大栄養素から得られたカロリーは、すべて同じ働きをするという考えを前提にしています。




ところが実際の身体では、カロリーの足し算・引き算だけで体重が落ちていくという単純な仕組みではありません。それぞれの栄養素から得られたカロリーは、それぞれの栄養素の働き方に従って消費、あるいは蓄積されていることが知られています。ですから、運動で200kcalを消費したら、例えばおにぎり1個分(約200kcal)のダイエットになるかと言うと、そうではありません。あるいは、脂肪1グラム当たり9kcalですから、200kcalの運動で脂肪がおよそ22グラム(200÷9)減るという考えも誤りです。



カロリー計算は、ダイエットにおいては目安程度に考えておいた方が良さそうです。





運動し始めたら体重が落ちた?

運動を始めた当初は体重が落ちます。
運動を始めると発汗が増えむくみが解消します。便通が良くなることもあるため、その分だけ体重は落ちます。この場合、脂肪が燃焼したのではなく、脱水傾向になっていることもあります。特に数日と言う短期間で体重が大きく落ちた場合は、脱水を疑って間違いありません。熱中症の際も、気付かないうちに急激な体重低下を伴うことがあるため、注意が必要です。脂肪は短期間では中々落ちてくれません。特に皮下脂肪は強敵ですね。(内臓脂肪は比較的早く落ちます)





 体の中の余分な水分が抜けた後は中々体重が落ちません。そこからさらに脂肪を燃焼させるためには、運動負荷を上げなくてはなりません。運動をすると、始めのうちは体重(余分な水)が落ちていくためモチベーションが高いですが、運動負荷を上げる事で肉体的な負担や時間の制約と折り合いがつかなくなり、それを端緒にモチベーションが維持できなくなります。膝が痛くなってきた、筋肉痛がなかなか引かない、疲れが残る、日中眠くなる、あるいは運動時間を確保出来ないなどです。一言で言うと、無理をしていると言えます。無理は続きません。こうなると運動をする意味を見出せなくなってしまいますね。





 また、この頃になると、食事がおいしく感じられ、食欲のコントロールが難しくなります。運動の後のご飯が美味しくて仕方がないのです。たくさん運動した結果、美味しく食べれてしまうというとても幸せな状況が、運動によるダイエットの限界点です。



 運動負荷をかけるという事は、体の回復のために多くのエネルギーを取り込むと同時に、より多くの時間を休養に割く必要に迫られます。動くからこそ食べたり休んだりしなければならないのです。これが動くだけで食べる量と休む時間が同じだと、無理が増大してリバウンドします。運動をしてダイエットを試みる場合は、運動負荷に見合った食事量と睡眠時間を確保する事を意識していれば、徐々に代謝が向上してゆっくりですが脂肪が痩せていきます。




 以上の様な理由で、運動ダイエットは時間がかかる上に失敗のリスクが高いです。運動ダイエットに失敗しても、意志が弱いとか、怠け者だというのは間違いです。運動ダイエットが上手くいくのは、運動が好きだったり、運動する事に支障のない方です。趣向や環境の問題ですので、失敗しても気にしない事です。




 一方、運動にもたくさんのメリットがあります。



 ダイエットに限れば、軽い運動は、程よいストレス解消になります。軽い運動を通じたストレス解消は、食べ過ぎを防ぐことが期待できます。疲労を残さないウォーキング程度の負荷で充分です。やり過ぎはかえって食欲を増強してしまうから注意です。



 間食を含めれば、一日に4食も5食も食べる現代人ですが、その多くはストレス解消の為です。中でも甘いものは、脳内の報酬系と呼ばれる機能を高め、ストレス解消に働きます。これは、タバコやアルコールなどの嗜好品と同様であり、依存性がある事が知られています。禁煙や断酒に成功した後に、甘いものが増えて太ったと言う話しはたくさんありますね。




 もう一つダイエットにおける運動の効用をあげるならば、睡眠の質が向上することです。眠りはダイエットにおいて特に重要です。睡眠中は絶食状態となるために、脂肪分解が促進されます。日中は糖質を中心にエネルギーを消費しますが、睡眠中は脂肪が中心です。睡眠中は血糖値が下がらないように、脂肪を分解して糖を得るのです。寝しなに食べると太りやすいと言われるのは、血糖値が高い状態で眠ると、脂肪を分解する必要がなくなるからです。ダイエットに睡眠は欠かせません。睡眠不足ではストレスとなり過食につながる一方で、良い睡眠は脂肪分解を促進し、ダイエットに貢献します。



ダイエットにおける運動の効用をしっかり意識しないと、運動負荷ばかりが上がり、無理を生じます。効用は、ストレス解消を通じた過食の予防と、脂肪燃焼のピークタイムとなる睡眠の向上にあり、軽い負荷で継続できる範囲で行うとよいでしょう。



  
タグ :ダイエット


Posted by 影山敏崇 at 11:02Comments(0)漢方ダイエット

2018年10月18日

【漢方ダイエット】空腹感を大切に

漢方ダイエットを進めるうえで、自然な血流を意識することは大切です。


昼は筋肉に、夜は消化器に集まりやすい血流の流れを、不自然な生活で乱さない事を意識するだけでも随分違いが出てくるはずです。


ダイエットと血流についてはこちらの記事が参考になります




今回は、ダイエット中に意識したいこととして「空腹感」があるかどうか?について漢方ダイエットの視点で考えてみます。



空腹感とは、お腹が空いたな~という感じの事です。ある人にはあるし、無い人にはないものです。空腹感が無い人なんているの?と驚くかもしれませんが、実は少なからずいるのです。







ケースとして多いのは、お腹が空いてきたらすぐに食べてしまう方ですおにぎり。空腹感を感じてすぐに食べる行為にうつるので、空腹感は無いに等しいと言えます。空腹感を感じている時は、脂肪が分解されてエネルギーが作られるダイエットのゴールデンタイムになりますが、それが無いのはもったいないですね。


間食の多くは、空腹感を感じて下がり始めた血糖値を、食べる事でまかなおうとする行為です。ダイエットをするなら、余分な脂肪があればそこからエネルギーを動員する方が効果が上がるのは言うまでもありません。

これは習慣です。


朝起きたら顔を洗ったり、仕事に出かけたりすることと変わりはありません。習慣の怖いところは、それに対していちいち理由など考え無い事です。間食が悪いのではなく、空腹感を感じて過ごすことが無い事に慣れてしまっていることがダイエットを妨げているのです。


漢方ダイエットではここに切り込みます。血流と言う視点から代謝の改善を図ることもしますが、食という大きなカテゴリーにも、習慣の改変という切り口で取り組むことになります。痩せる食材とか、何を食べるかという事を考えるのは漢方ダイエットの本質ではなく、まだまだ先の話です。ここは一足飛びには行きません。汗


標準的な体重を維持している方も、そうでない方も、違いはほんのわずかな習慣にあります。日々の違いは小さくても、その積み重ねの果てにたどり着く場所は、大きく異なってしまいます。顔08



一方で、本当に空腹感が無い方もいます。お腹が空かない、食べ物がおいしく感じられないという場合です。料理の味がまずいというのではなく、食べて心や身体が満たされるという感覚を味わえない方です。背景にはストレスや精神的な問題があったり、胃腸障害があったりしますが、そのような方のダイエットは、食欲がわくようにしないと上手くいきません。


ダイエットのために食欲をしっかり出すように仕向ける事は、一見矛盾しているように思えます。ところが、食欲が無かったり空腹感が無い状態にありながら、適正体重をオーバーしていることも矛盾と言えます。
ダイエットをする上で、心身が食によって満たされるという自然な感覚を取り戻すことが、継続的な体重管理には必要です。


この様な考えに立つと、空腹感を感じながら暮らすことは、ダイエットをする上でとても大切だと言えます。



特に、朝ごはんと夕ごはんの前に空腹感があるのが良いです。夕に食べ過ぎれば朝の空腹感は無く、昼以降に間食が入ると、夕の空腹感が失われます。朝にお腹が空いて目が覚める、夕ご飯前にお腹が鳴るくらいが目安です。カップ 02


ただし、日常的なストレスのはけ口として、一時的な空腹感を紛らすことで折り合いがつくことも少なくありません。そのような場合は食べても良いのです。空腹感を一時的にでも紛らす必要がある時と、惰性や習慣でマンネリに押し込まれた行動との違いを明確に区別する視点が大切です。


そして、本当に空腹感を紛らわす必要に迫られることは、3度の食事を除いてそれほど多くないという事も知っておく必要があります。  
タグ :空腹感


Posted by 影山敏崇 at 11:54Comments(0)漢方ダイエット

2018年10月16日

【漢方ダイエット】自然な血流を妨げない工夫

漢方ダイエットは、睡眠・食事・運動の3つの視点を意識しながら進めていくダイエットです。


その中で一番大切な事は、睡眠です。


人間の最大の欲求である睡眠に不満があれば、それはストレス以外の何物でもありません。


そのストレスを、食で解消する事が無いように願うばかりです顔02
食についての基本的な考え方は、こちらの記事が参考になります。





今回は、ダイエットにおける血流の大切さを考えていきます。


血流とは
血流は、3つの視点の組み合わせで決まります




血流を考えるうえで大切な事は、筋肉を働かせる時間と、消化器を働かせる時間の区別にメリハリをつける事です。
そうすることで、血液がくまなく全身を巡るよう働きかけることが出来ます。一般にダイエットでは代謝を高める事が大切ですが、漢方においては、代謝とは血流そのものと考えます。


代謝とは、究極的には体内における物質のやり取りです。そのやり取りの中でエネルギーが消耗されていくので、ダイエット≒代謝改善という考えになります。物質を運んでいるのは血流です。運動や体を温める、血流改善の食材やリラクゼーション、あるいはストレス低減法といったあらゆる血流改善策が、ダイエットの方法論として断片的に語られています。



漢方ダイエットでは血流をどう考える?



血流とは全身の血液の流れになりますが、その流れにはルールがあります。止まってはいけない、脈管を外れてはいけない、逆流してはいけないなどは、誰もが知る所です。


一方で、血流は昼は陽位に、夜は陰位に集まりやすい傾向があると漢方ダイエットでは考えます。陽位とは陽の位置ですから、身体の外側に位置する主に筋肉、同様に陰位とは体の内側ですから消化器に集まる傾向があります。
言いかえれば、昼間は筋肉に、夜は消化器に血流は集まりやすいという事です。特別な働きかけをしなくても、血流とは自然とそうなるようになっています。


この自然な血流の流れを阻害するものは、代謝を落とすことになります。陽から陰へ、そしてまた陽へと戻っていく自然な血流を、一日の暮らしの中で意識する必要があります。
ダイエットは代謝改善であり、代謝とは血流であることを忘れてはなりません。


自然な血流を妨げない工夫


昼は筋肉に血流が集まりやすいという事は、日中に活動したり仕事をすることは理に適っています。


一方で夜間や早朝と言った、筋肉に血流の乏しい時間帯の活動や運動は、自然な血流の妨げになります。夜間や早朝は陰の時間であり、身体の深いところに血流が集中しているため、それを無理やり筋肉まで引き出すことは不自然かもしれません。



一方で、陰の時間の終盤である朝や、陰の時間の入り口にあたる夕は、消化管に血流が集まりやすく、食事をとることで血流がより一層高まります。食後にすぐ体を動かすことは、血流が消化器から筋肉へ動くことにつながるため、血流を妨げる事になります。顔03
夜間遅くになると、血流はさらに体の深くに入り込み、生殖泌尿器や骨へと移ります。夜間遅くの食事は、消化管に血流をとどめる事になり、身体の深部へと血流が届きにくくなるため、ダイエットの視点からは代謝を落とす(血流を悪化)と考えられます。


これらは一例にすぎませんが、昼は陽位に、夜は陰位に血流が集中する自然な流れを妨げる事は、全てダイエットに不利に働きかけると考えらえます。


漢方ダイエットでは、漢方薬を使って血流を高めますが、漢方ダイエットにおける基本的な血流の仕組みの理解の上で運用されます。



代謝とは血流であり、血流を高めると同時に、血流を妨げない工夫が、生活の仕組みとして取り入れられていることがダイエット成功にコツと言えますね。  

Posted by 影山敏崇 at 12:14Comments(0)漢方ダイエット

2018年09月13日

【漢方ダイエット】食事はどう考える?

漢方ダイエットは、睡眠、食事、運動の3つの視点を意識しながら進めていくダイエットです。


その中で一番大切で最優先することは睡眠です。おやすみ…



睡眠の大切さについては、こちらのの記事が参考になります。



今回は、もう一つの視点である食事について、漢方ダイエットの考えをお伝えします。


ダイエットと食事



体重に与えるインパクトは、3つの視点の中で食事が一番大きくなります。
それは、睡眠や運動が不足していても、食事をしなければ体重は増えない事から理解が出来ます。


食べたり飲んだりしたものを蓄える事で体重が増えるのですから、当然と言えば当然かもしれません。


 そこで、漢方ダイエットでは、食事は何のためにとるのか?について2つの視点で考えます。
一つ目は、身体の機能を維持するための燃料や材料として使うためです。


腹が減っては戦は出来ぬ  ではありませんが、食事は心身の活動のエネルギー源や、身体を構成する材料になります。余分なものは脂肪として蓄えられますが、脂肪≒悪ではありません。必要があって蓄えられているものは、やはり必要なものです。


ダイエットをするうえで問題となるのは二つ目です。
それは、食がストレス解消の目的になってしまう場合で、それが長く続くと問題となります。


外から来るストレスの多くは、自分で制御できないものが多いのですが、自分で介入できる自身のストレスは、それなり対処が可能です。



漢方ダイエットでは、リズムの乱れを調える事で、それらに対処できると考えます。


食事のリズムの乱れ、排泄のリズムの乱れ(便秘や下痢など)、呼吸の乱れ(多くは運動不足)、睡眠のリズムの乱れ(週末に崩れるなど)、月経の乱れ(ホルモンバランスの異常)、自律神経の乱れ(精神面のコントロール失調)など、いずれもメリハリが必要なリズムの乱れを調える事が、自分で出来るストレス介入となります。
これらリズムの乱れは、身体にとってストレスとなります。汗


 これらは、場合によって漢方薬が必要になるでしょうが、無くてもストレスへの介入が可能な場合が少なくありません。
いずれにしても、この様なリズムの乱れを調える事で、心身の基盤を丈夫にしたうえで、対外的なストレスに対する耐性を向上させたり、ストレスの解決を考えられるようになります。


 食と言うのは、この様な多くのリズムの乱れに関与しており、ただ単純に食事量を減らすというのでは無策に等しいと言えます。それでは、ストレスの上塗りとなりかねず、立派な計画や目標を立てたとしても頓挫してしまうのではないでしょうか?




 ストレスの報酬として必要以上の食事量を求めてしまうという事は、漢方ダイエットにおける食という視点において最大のテーマです。
あらゆるリズムを調える事で、自然と食への欲求が収まっていくことが、漢方ダイエットの目指す形です。


このプロセスを一足飛びにして、食事量や食事内容に手を加えても、ダイエットは成功しません。


これは、ダイエットに失敗したという方々の声でもあります。  


Posted by 影山敏崇 at 13:44Comments(0)漢方ダイエット